ドラクエ主人公リュカの名前に、著作権は認められるのか!?

2019年8月2日に公開された、映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』に関する訴訟がニュースになっていました。

このニュースを見て思ったことを記事にします。
(2020年11月27日時点で、この訴訟は未解決です。)



ドラクエ主人公、名前は誰のもの?小説家が賠償求め提訴(←外部リンクに跳びます。)

個人クリエイターでもクラファンで裁判資金を調達し、泣き寝入りせず戦い得るという例を示したい(←外部リンクに跳びます。)



映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は、ゲーム『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』をベースとした物語です。

私は、映画の方は見たことがないのですが、ゲームの方はもちろんやりました。名作ですよね。めちゃくちゃ面白い。

主人公が奴隷になったり、石になっちゃったり、めちゃくちゃしんどい人生を送るんですよ。

どうして主人公はこんなにひどい目にあわなければならないんだ……! って、ゲームをしながら悲しくなりました。

でも、素敵な女性と結婚できて良かったです。

ちなみに私はビアンカ派ですね!


訴訟の内容

主人公の名前に「リュカ」という名称を勝手に使われたとして、作家の久美沙織が、映画を製作した会社などを相手に、損害賠償を求めて訴訟を起こした事件です。



映画の元となっているゲームの方では、主人公の名前は特に決められていませんでした(プレイヤーが名前をつけるようになっています。)。

そして、このゲームをもとにした小説も出版されており、このノベライズを手掛けたのが久美沙織です。その際、久美沙織によって主人公の名前が「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」と名付けられました。

一方、今回の映画では、主人公の名前が「リュカ・エル・ケル・グランバニア」となっています。

「リュケイロム」と「リュカ」で似ていますよね。

そこで、久美沙織は、主人公の名前を勝手に使われた、つまり著作権を侵害されたとして、訴訟を起こしました。



著作権は認められるかについての私の見解

久美沙織の著作権が認められることはないんじゃないのかなー、というのが私の見解です。

著作権法では、「著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したもの」という定義があります(著作権法の2条2号です。)。

そのため、文章に関する著作物については、ある程度の長さやボリュームがないと、著作物とは認められないんですね。

短すぎる文章には、著作権は認めないってことです。短い文章にも著作権を認めてしまうと、著作権の侵害があっちこっちで起こってしまい、誰も創作活動ができなくなってしまいますからね。



今回の主人公の名前「リュカ」について考えてみると、キャラクターの名前というかなり短いフレーズを問題にしていますよね。あまりにも短すぎるし、著作権を主張するには弱いと思います。



朝日新聞の記事では、久美沙織が「繊細で優しいけれども勇敢な大人に成長していく主人公にふさわしい名前を考えた。響きや字面なども意識した。」と話していると書いてありました。

この部分が、「思想又は感情を創作的に表現したもの」だという主張でしょうか。

なかなか難しい気がします。



本のタイトルには著作権は認められない

ところで、一般的に、本のタイトルにも著作権は認められないって知ってました!?

本のタイトルも、「短すぎる」から、著作権は認められないんです。

まあ、でも普通はパロディとかじゃない限り、既に出版されている作品の作家さんに敬意を表して、まったく同じタイトルの作品は作らないですよね。



でも、たまたま出版の時期が被ってしまい、似たタイトルの作品が世に出ることもあるみたいです。

そんな小話が筒井康隆の『創作の極意と掟』という本に書いてあって、面白かったです。

創作の極意と掟 (講談社文庫)

創作の極意と掟 (講談社文庫)

  • 作者:筒井康隆
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: Kindle版



……最近のライトノベルはタイトルが非常に長いのもあって、こういうのには著作権は認められるんですかね。非常に気になります。




まとめ

おそらく久美沙織も、訴訟に勝てるとは思っていないんじゃないかと思いますね。

著作権は認められないにしても、ノベライズの主人公の名前から「リュカ」という名前を引っ張ってきたんじゃないか、というのは予想されるところなので、社会への問題提起という意味で訴訟を起こしたんじゃないでしょうか。

クリエイターの権利を尊重して欲しいと主張する裁判なんでしょう、きっと。



ということで、以上、「短い文章には著作権は認められない」というお話でした。